
胃がん
胃がん
胃に発生するがんのことで、かつては日本国内におけるがん死亡数の首位でした。近年は患者数が減少傾向にありますが、男性では肺がん・大腸がんに次いで3位に位置しています。主な原因としてピロリ菌の感染が挙げられ、胃がんを発症する方の大半は現在または過去にピロリ菌に感染しています。
胃がんの症状には以下のようなものがあります。
胃の壁は粘膜層、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜に分かれています。胃がんは一般的に粘膜層から発生し、徐々に深い層へと浸潤していきます。早期の段階ではほとんど症状がないため、健診で偶然見つかることが多くなります。一方で、進行がんになると、上記のような症状が現れることがあります。
早期の胃がんを見つけるために最も有効な検査です。近年の内視鏡はカメラの精度が向上しており、小さな病変でも発見可能です。症状がなくても定期的な内視鏡検査を受けることが重要です。
バリウムという白い液体を飲んだ後、レントゲン撮影を行い胃の病変を検出する検査です。体位を変えながら撮影を行うため、負担が少ない点がメリットですが、胃内視鏡検査と比べて小さな病変や平坦な病変の発見が難しい場合があります。
放射線を用いて複数の臓器を同時に撮影する検査です。進行がんでは進行度や転移の有無を確認できますが、早期がんの検出は困難なため、CT検査で異常がなくても内視鏡検査で胃がんが発見されることがあります。
早期の胃がんは、内視鏡を用いて粘膜を切除することで根治が可能です。手術と比較して身体への負担が少なく済みます。ある程度進行すると、内視鏡治療では対応できないため、手術が必要になります。
胃の約2/3を切除する方法と、胃を全て切除する方法があります。がんの大きさ・位置・組織のタイプに応じて手術方法を決定します。
他の臓器へ転移した胃がんに対しては、主に抗がん剤を使用します。従来の薬剤に加え、近年では免疫チェックポイント阻害薬などの新しい治療法が登場し、治療成績が向上しています。
当院では、富士フイルム社の最新の内視鏡システムを導入しています。LCIやBLIといった特殊な光を用いた観察によって早期の胃がんの発見や、病変の大きさ・深さの推測が可能です。病変が確認された場合、組織の一部を採取し、顕微鏡検査により確定診断を行います。検査時間が長くなることもあるため、ご不安な方は鎮静剤(眠り薬)を使用した検査をご検討ください。
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