
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こり、出血や下痢、腹痛など多様な症状を引き起こす病気です。全国で患者数が20万人を超えており、年々増加傾向にあります。若年層に多く発症し、根治が難しいため国の指定難病に認定されています。
潰瘍性大腸炎には以下のようなものがあります。
通常は大腸に炎症が起こりますが、まれに胃や小腸、さらには口内炎や皮膚の潰瘍といった全身症状が現れることもあります。また、長期間炎症が続くと大腸がんのリスクが高まるため、定期的な内視鏡検査が重要です。
症状が軽度でも便中に微量の血液が混ざっていることがあるため、早期発見に役立ちます。
診断に欠かせない検査で、炎症の範囲や重症度を確認できます。疑われた場合は組織を採取する生検を行い、がんの有無も調べます。
白血球やCRPの上昇など、炎症の指標をチェックします。長引く炎症や出血により貧血や栄養状態の悪化が見られることもあります。
炎症を抑える基本的な薬です。継続的に服用することで再発予防にも効果があります。
5-ASAで効果が不十分な場合に使用。短期間で炎症を抑える力が強いですが、副作用があるため長期使用は推奨されません。
再発を防ぐ目的で用います。副作用の管理のため定期的な採血が必要です。
体外で炎症に関わる血球を取り除き、再び体内に戻す治療法です。週1〜2回の通院が必要で、限られた施設で実施されています。
難治性の方に使用される薬です。再発予防効果が高い反面、感染リスクや医療費の負担があるため、医療費助成制度の活用がおすすめです。
炎症がコントロールできない場合やがんを併発した場合に検討されます。大腸を全摘することで症状の根本的な改善が期待されますが、排便回数が増える可能性があります。
潰瘍性大腸炎は若年層に多く発症するため、早期発見・早期治療が重要です。当院では、鎮静剤を用いた苦痛の少ない内視鏡検査や、個室で下剤を服用できる環境を整えております。
血便がある場合は「痔だろう」と自己判断せず、ぜひ一度ご相談ください。
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