
胃・十二指腸潰瘍
胃・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の粘膜に傷ができ、深くえぐれた状態(潰瘍)になる病気です。これにより痛みや出血などの症状が現れます。
胃潰瘍は中高年層に多く、十二指腸潰瘍は比較的若い世代から中年層に多いとされています。原因はストレスやアルコールなどさまざまですが、特に多いのはピロリ菌感染と鎮痛薬などの薬剤によるものです。まれに胃がんなどの悪性疾患によって潰瘍が生じることもあります。
かつては重症化しやすく致命的な病気とされていましたが、近年は内服薬や内視鏡技術の進歩により、命に関わる例は非常に少なくなっています。
胃・十二指腸潰瘍には以下のようなものがあります。
みぞおちの痛みで気づく方が多く、出血があると吐血や黒色便が見られます。潰瘍が深くなると穿孔(胃や腸に穴があく状態)を引き起こし、強い腹痛や発熱が生じます。出血や穿孔は命に関わる可能性があるため、緊急対応が必要です。
潰瘍の診断には**内視鏡検査(胃カメラ)が有効です。出血があればその場で止血処置が可能です。悪性の疑いがある場合は生検(組織の採取)**を行います。
胃酸の分泌を抑える薬で治療します。現在では強力な薬が登場し、多くの潰瘍は数か月以内に治癒します。
出血している場合には、内視鏡を用いた止血処置が必要です。焼灼やクリップによる止血など、手術をせずに治療できるケースが増えています。
ピロリ菌が原因の場合、再発防止のために除菌が必要です。7日間の内服で約90%の方が除菌に成功します。ピロリ菌は潰瘍だけでなく胃がんのリスクにもなるため、未検査の方は内視鏡検査のご検討をおすすめします。
アルコール、辛い食べ物、ストレスなどは胃酸を増加させる要因です。また、意外なことに湿布薬の多用も潰瘍の原因となる場合があります。原因を突き止めて改善しないと再発のリスクが高まるため、生活習慣の見直しは重要です。
当院では、鼻からの内視鏡や鎮静剤を使用した検査を行っており、痛みや不安の少ない診断が可能です。
潰瘍が見つかった場合は、必要に応じて生検を行い、治療は内服薬を中心とします。出血がある場合は当院でも止血処置は可能ですが、入院での経過観察が必要となるため、対応可能な医療機関へ紹介させていただきます。
なお、出血量が多い場合や血圧が不安定な方については、連携している総合病院へ速やかにご紹介いたします。
みぞおちの痛みなど、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
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