健康診断で便潜血陽性と言われたら?|日吉台診療所|滋賀県大津市の内科・消化器内科・リハビリテーション科

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健康診断で便潜血陽性と言われたら?

健康診断で便潜血陽性と言われたら?|日吉台診療所|滋賀県大津市の内科・消化器内科・リハビリテーション科

便潜血陽性という結果を受け取ったら

健康診断やがん検診の結果が届き、「便潜血検査 陽性(+)」という文字を見て驚かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「特に症状もないし、きっと痔だろう」「忙しいから、まあいいか」と、つい結果から目をそらしてしまうケースは少なくありません。しかし、その判断により大腸がんを見落としてしまう場合があります。

便潜血検査は、自覚症状が全くない段階で、大腸がんをはじめとする消化管の病気を早期に発見するために行われる、非常に重要なスクリーニング検査です。

便潜血検査とは

便潜血検査は、便の中に微量の血液が混じっていないかを調べる検査です。現在、日本の大腸がん検診で広く行われているのは免疫法という方法で、これは人間の血液(ヘモグロビン)にのみ反応する高感度な検査です。

多くの場合、2日間にわたって便を採取します。これは、病変(がんやポリープ)からの出血が常にあるとは限らず、出たり出なかったりすることがあるためです。2日間のうち1日でも陽性になれば、精密検査が必要と判定されます。

この検査の最大の目的は、大腸がんの早期発見です。大腸がんやその前段階である大腸ポリープは、表面がもろく、便が通過する際の摩擦などでわずかに出血することがあります。この目には見えない微量な出血を捉えるのが、便潜血検査なのです。

便潜血陽性の原因

便潜血検査が陽性になる原因は、大腸がんだけではなく、様々な疾患があります。

大腸がん

最も見逃してはならない病気の一つです。早期の大腸がんは自覚症状がほとんどありません。便潜血検査は、この無症状の時期にがんを発見できる数少ない手段の一つです。大腸がんはがんの中で頻度が高い疾患であり、早期の段階で治療することが非常に重要です。

大腸ポリープ

大腸ポリープは、多くの場合、将来的にがん化する可能性がある病変です。がん化する前の段階で治療できれば大腸がんを防ぐことができます。ポリープが大きくなると表面から出血しやすくなり、便潜血陽性の原因となります。

痔(いぼ痔、切れ痔など)

便潜血陽性の原因として最も多いものの一つが痔です。ただし、痔が原因だから大丈夫と考えるのは非常に危険です。実は奥にがんが隠れていた、あるいは痔とがんを両方合併していた、というケースは決して珍しくありません。

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)

腸に慢性的な炎症が起こる若年の方に多い病気です。一般的に下痢や血便が出現することが多いですが、無症状で見つかる場合があります。

 

大腸カメラが必要である理由

便潜血検査で陽性となった場合、次に行うべき精密検査は大腸カメラです。

陽性であっても大腸カメラを受けずに「来年もう一度検査をすればいいや」とお考えのケースがあります。便潜血検査はあくまで出血の有無を調べる検査であり、出血の原因を特定することはできません。出血の原因を突き止めるには、大腸の中を直接観察できる内視鏡検査が必要となります。

確実な診断

出血の原因となっている病変(がん、ポリープ、炎症など)を直接観察することができます。さらに最新の内視鏡精度によりがんの診断が可能です。

同時に組織検査が可能

疑わしい病変が見つかった場合、その場で組織の一部を採取(生検)し、良性か悪性かを顕微鏡で確定診断することができます。

ポリープ切除

将来がん化する可能性のある大腸ポリープを発見した場合、その場で切除することが可能です。これは、大腸がんを予防するという点で、大腸カメラが持つ最大のメリットです。

大腸カメラは以前より楽に受けることができます

大腸カメラと聞くと、「痛そう」「苦しい」「恥ずかしい」といったネガティブなイメージをお持ちの方が多いかもしれません。確かに、腸の曲がり角をスコープが通過する際に圧迫感や痛みを感じることがありました。

しかし、近年では検査技術や機器が飛躍的に進歩しており、鎮静剤・鎮痛剤の使用により検査の負担を軽減することができます。大半の方は痛みや不快感をほとんど感じることなく、検査が行われたことにも気づかないまま終了することもあります。

まとめ

大腸がんは、早期に発見すれば根治が可能ながんです。内視鏡で切除できるポリープやごく早期のがんの段階で見つかれば、お腹を切る手術や抗がん剤治療を回避できる可能性が非常に高くなります。

便潜血検査で陽性という結果を受け取ることは、決してがんの宣告ではありません。むしろ、自覚症状のないうちに、がんやその前段階のポリープを発見できるチャンスを得たと前向きに捉えてください。陽性の結果を放置せず、大腸カメラを受けていただくことで大腸がんの早期発見・予防につながります。

当院は大津市で消化器内科を専門とし、患者さんの苦痛を最小限に抑える鎮静剤を用いた胃カメラ・大腸カメラ検査に力を入れています。検査についてのご不安やご質問がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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